聖杯伝説》

その起源は、イエス・キリストが処刑された際に血を受け止めたとされるカップ(杯)。様々な奇跡を起こすというその聖杯は、世界中にさまざまな伝説を残しています。

その中でも、5世紀に全イギリスを統一したとされるアーサー王は、聖杯伝説とゆかりが深く、キリスト復活を祝う五旬節の日、騎士たちと食事をしていると、突然、雷鳴とともに円卓に美しい杯が出現したという伝承が残っています。

そして、歴史上の名だたる人物たちがその奇跡を呼ぶ聖杯を求めて、旅をしていったのです。

 

ウェールズ

 

聖書が最初に文学に現われた時、少なくとも古くから残っていた文学は、アーサー王の物語です。

最も早いのは1190年頃のフランスの詩人、クレティアン・ド・トロワの作品で、遺物といわれるものは貴重な石を使った金色の皿に記載されています。

作者が死に至ってもまだ話が終わっていないので、聖杯の起源については何も明らかにされていません。それにもかかわらず、我々はそれを食べることで不老不死になれるとされています。

イングランドでは、まさにこの名前によって中世の時代に言及された城が明るい色の石で造られています。イングランドとウェールズの国境に近い、シュロップシャー郡のウィッテントン村にあります。さらに、ウィッテントンという名前は、実際には初期の英語、つまり文字通りWhite Townから来ています。

 

一方、ドイツでは、アーサー王の物語は、作者ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハによって構成されました。

彼は聖杯を聖霊の石として描き、それを持っている人に何らかの形で栄養を与え、知恵を授けると言われています。

 

他のアーサー王の物語と同様に、アーサーの騎士が、英国全土を事実上支配されてしまう脅威から救済できる力を持った聖職者を求めて。多くの中世のアーサー王のロマンスにはアーサーの騎士の1人、ペルセヴァルがおり、ホワイトタウンにあるホワイトキャッスル(白い城)と呼ばれる礼拝堂で聖杯を発見しています。